拾い動画には、正直、誰もがお世話になっていることだろう。
ここまで簡単に、しかも無料でエロ動画が見られる時代である。権利関係のことが怪しいというか、完全にアウトとは理解していても、視聴だけなら禁じられるはずもないので、ついつい再生してしまう。無修正動画も溢れている。いい時代なのか、悪い時代なのか。

■関係者は悲鳴! 違法動画にAV屋が潰されるかも?

Clipboard39先日、王者・カリビアンコムが摘発されたことで、これまで快調だった無修正動画業界はただでさえ萎縮傾向にある。「海外のサーバーを通せば日本でも無修正はOK」という図式が破られてしまったのだ。類似サイトの関係者たちは、明日は我が身と震えているはず。

とはいえ、多くの男性ユーザーにとって、「裏物」がネットに溢れていることは、今さら取り立てて言うでもない周知の事実である。モザイク有の作品も含めると、一日に十数本以上の新作がリリースされているそうだ。違法動画の数も、それに比例して増えている…。

「裏の取り締まりは、まあうちには関係のないことですが、現状は厳しいですね…」

某AVメーカーのY氏は、浮かない表情でそのように語ってくれた。

「かつてのAVといえば、1本1万円以上は当たり前でした。それがDVDになってからは大体3000円くらい。安いものだと1000円くらいですね。配信物だと数百円。ビジネスモデルが、完全に変わってしまいました。そこへ違法動画の氾濫です。処置なし、ですね」

Y氏いわく、十数年前には、有名女優のリリースとなると、1本で100万円~1000万円の収益があったと言う。もちろん女優にも相応のギャラが支払われていた。しかし今はそういうわけにもいかない。製作費ばかりかかって、収益は右肩下がりを続けているそうだ。

■元キカタン女優もガックリ… AVの未来はどうなる?

Clipboard40単体名義でのビデオは一本もないという、企画単体女優のSさんにも話を聞いてみた。

「辞めたのは一年前ですが、企画モノの場合は、1作品のギャラは大体10万円くらい(笑)顔を晒して出演して、たったそれだけのリターンです。一日拘束されて本番5回、それでギャラ8万とかもありました。その作品はオムニバス化されて、使い回されています」

それではソープの方がよほどマシだと、今、彼女は風俗店で働いているらしい。

「辞める前には裏物への話もありました。さすがにギャラは良かったけど、なんか後ろにいる人たちが怖かった(笑)話だけ聞いて逃げて、そのままです。今ややこしいことになっていることを考えると、私の選択は正しかったですね。裏やって捕まったら堪らない」

苦境に立たされているのは、制作サイトだけではない。ロクなギャラも貰えない女優たちも、エロビデオの価格崩壊、そしてはびこる違法動画の被害者である。そんな現代は、エロ大飢饉、と言ってもいいだろう。量を出せば質が下がり、さらに売れなくなる悪循環。

■唯一の光明はVRだけ? 有料エロサイトの運営が語る

Clipboard41「風俗関係の仕事をしていたんですが、ひょんなことからエロサイトを始めました。よそのメーカーから許可を貰って、作品を配信するスタイルです。もちろん有料会員制です」

そう語ってくれた有名エロサイトの運営T氏も、憂鬱そうな顔である。

「最初は確かに儲かっていました。でも、類似サイトが林立して、オリジナリティを出すのが難しくなってからは、すっかり干上がっていますね。何より、見放題の会員制サイトの最大の敵は、拾い動画のまとめサイトです。腹いせに通報しまくってやってます(笑)

でも、いろんな工夫をしています。仕事のない風俗嬢や、出会い系サイトで援交募集しているような素人を何とか説得して、出演してもらい、オリジナルコンテンツの制作には力を入れています。無修正サイトに売ることもありますね。買い取り額がかなりいいので」

干上がった風俗嬢、そしてパパ活中の素人に、しっかりと“稼げる場所”を与える意味でも、有料会員制アダルトサイトは、意外に健全かもしれない。T氏は続けて、AV業界に未来について、決して希望がないわけでもない、と語ってくれた。キーワードは、VRだ。

「アダルトと言っても、何でも良いわけじゃないです。今は視聴者も目が肥えているので並の無修正動画では喰いつかないから、カリビアンコムの一件がなくても、業界は収縮していたでしょう。唯一の光明は――VRですね。VRエロと、“企画”の組み合わせです」

なるほど。VRのアダルトコンテンツは、確かに衝撃的だった。そこにAVメーカー独自の企画力がプラスされれば、氾濫する無修正動画にも、違法動画にも、勝ち筋が見える――。

我々は、やはりエロに対してはペイすべきではないだろうか? メーカーと女優に資金がいけば、結果としてアダルトコンテンツは、もっと豊かなものになる。違法動画をクリックするたびに、業界が収縮する――そう思えば、自分で自分の首を絞めるようなものだ。

特に、今後の展開が大いに期待できるVRは、買ってこそ見る価値があるものである。