イリュージョンが去る2月28日に発売したVRアダルトソフト「VRカノジョ」は、革新的だった。まだ黎明期にあるVRタイトルとは思えない完成度だ。ヒロインである夕陽さくらのリアルな存在感は、エロゲファンのみならず、VR業界全体にも高く評価されている。

そんな“彼女”の生みの親である、開発者の大鶴尚之氏に、開発の裏話を聞いてみた。

■反響大! 話題作「VRカノジョ」の開発秘話

Clipboard07――「VRカノジョ」、素晴らしい作品でした。反響も大きかったと思います。

大鶴「はい、かなり好意的な意見・感想を多方面からもらいました。それに、生々しい話ですが、売上も目的を達成できたのでホッとしています。全然売れなかったら、ここで終わりでしたが…。おかげで次回作も作れそうだという感じもしています。嬉しいですね」

――VRアダルトゲームでは、やはりキャラ表現がキモだと思うのですが。

大鶴「はい、何よりもそこにこだわりました。特に、なんというか、女の子の“質感”は徹底的に追求しましたね。そこはずっと前からイリュージョン全体で取り組んできた課題ですけど、問題はフレームレートとの戦いで…。クオリティを保ちながらどれだけPCへの負荷を減らせるかというところでは、クリエイターたちも、非常に頭を悩ませています」

――確かに肌の質感なんかは見事でした。

大鶴「テクスチャー、それからシェーダー、つまり陰影処理ですね。ここでは長年3DCGをやってきた経験が生かされました。ただ、今のVRゴーグルはまだ解像度も低い。ごまかしも効くところです。今後はもっとこちらの技術レベルも上げていかないといけません」

――モーションにもこだわりはありますか?

大鶴「そうですね。リアルな表現、というよりは、若干オーバーアクションにして、作品としてのバランスを取りました。あまりリアルすぎると、面白くないし、エロくもないんです。それなら、おっぱいだって揺れすぎるくらいの方がいいし、エロいだろうと(笑)」

──確かに。女の子の動きは、どのように作られたのでしょうか?

大鶴「基本的にモーションキャプチャーです。それもセクシー女優ではなくて、普通の女の子に協力してもらっています。そこからオーバーアクション気味に演出をつけてますね」

■「VRカノジョ」おすすめの遊び方とVRアダルトの今後

Clipboard08――大鶴さん的に、「VRカノジョ」のおすすめの遊び方はありますか?

大鶴「はい。最新バージョンでは、ものを投げないという設定が加わって、空中に置けるようになったんです。だから、胸のあたりにバイブを固定すれば、ずっとプルプル揺れてる状態ですね(笑)あとは、スマホで写真を撮ることもできるので、それも試してみてほしい。まあ普通に撮らないですよね(笑)下アングルから…すごいスリルがありますよ

――リアルでやったらお縄ですが(笑)

大鶴「その通り(笑)まあそのへんはVRならではで、さくらちゃんだけにしてください」

――さて、今後のアップデート予定については…?

大鶴「ウェブでアンケートを採って、その中でも多い意見を参考に考えていこうと思っています。最終的には、外のどこか別の場所で二人でデートできるようにしたいですね…」

――リアル店舗との連動ですか!?

大鶴「はい。ただ、なかなかアダルト作品は…当面は難しそうですね」

――でも「VRカノジョ」は、ツクモなんかで店頭体験できるわけですが。

大鶴「体験版に関してはそうですね。だから、ダークな部分はあまり作らないようにしています。いきなりそういうエロをやると、規制される可能性があるので。たとえば満員電車とか、そういうシチュエーションもアリなんですが、現実の犯罪に繋がる、と言われてしまえばどうしようもありません。そのあたりは、世の中の流れも見ながら…ですね」

──究極、VRアダルトの未来ってどうなると思われていますか?

大鶴「それはバーチャルセックスでしょう。でも、まだまだ技術的に難しすぎる。もしかすると、VRがもしかしたらMR(複合現実)に代わる可能性がある。その先もあるかもしれない。まあ、あまり先のことを考えても仕方ないので、VRでどこまでできるか、です」

――人間のコミュニケーションにおける「感覚」の要素もVRで表現できそうですか?

大鶴「できなくはないでしょう。すでに匂いを出せるVR向け機器も出ましたし。これはぜひコラボしたい(笑)お風呂上がりの香りなんかを表現できれば、没入感も増します。今のところ一番難しそうなのは、触覚です。まだまだ研究しなくちゃいけない課題ですね」

――なるほど。直近の展示会で、また何か出されるそうですが。

大鶴「はい。5月8、9日の『Unite 2017 Tokyo』では、何かしらデータを追加して、全年齢版の『VRカノジョ』を出す予定です。興味のある方はぜひ来場して体験してください」

これまでエロゲには関心のなかった紳士たちも、一度、「VRカノジョ」をチェックしてみてほしい。従来の二次元エロとは、まさしく“次元”が違う新感覚で、興奮必至である。