4月8日からスタートした今期注目アニメ『エロマンガ先生』。
原作者は『俺妹』の伏見つかさ。監督・竹下良平との対談で、「イズム」を語っている。

■すべては「良いアニメ」を作るために

face_02――伏見さんも脚本に参加しているとのことですが。

伏見「そうですね。ただ、脚本については、僕が何かを決めたというよりは、みんなで作った印象です。自分でも3話分は一応書かせていただいたのですが、難しいです(笑)」

竹下「やっぱりアニメの脚本と小説とは違うんですか?」

伏見「僕の場合は、まったくの別物だと思っています。ただ、ヒロインの可愛さとか、セリフ回しや会話を繋げていくタイミングなんかは、小説と同じ感覚で書けましたかね」

竹下「伏見先生の脚本には、“イズム”が強く感じられる。なんというか、キャラクターの底まで考えている気持ちが伝わってきます。キャラの掘り下げは、やはり先生が書いた回で濃密にやっているという感じがありますね。まあ――ホン読みのときには、かなり細かく指摘させてもらいましたが(笑)」

伏見「はい、おかげさまでいっぱい修正しましたよ(笑)」

竹下「そこはクリエイター同士…あしからず(笑)」

──制作会社の人や声優さんなど、大勢のスタッフが関わるアニメの制作に参加することは、小説とはずいぶんと感覚が違うのではないかと思いますが、どうなんでしょうか?

伏見「どうでしょう。小説も僕一人でなく、編集者とか、多人数で作ってることに実はそんなに変わりはなくて、違和感もないです。ただ、最終形態が予想できない、っていうのは刺激的ですね。みんな良いアニメを作るために必死で、作品が動いていくのが面白い」

竹下「そうですよね。僕も、それぞれが良い仕事をしてくれるから作品は完成するんだと思っています。その中で、誰が一番このアニメの功労者なんだろうと、そういうことを考えるのも面白い」

■期待された第一話 作り手の“手応え”は?

Clipboard03――放送された第一話ですが、感触はどうでしょうか?

伏見「エロマンガ先生の動画配信シーンは原作超えですね(笑)あと、卵焼きがすごいおいしそうだったのも、妙に印象深い。それから、紗霧の部屋がとても可愛かったのもビックリしました。小説では『可愛い部屋』と書いただけだったんですが――やられました」

竹下「ありがとうございます。紗霧の部屋は僕のこだわりでもあって、一応、自分でラフを描いています。部屋のイメージは「夜」。月がモチーフの飾りとかを垂らしたり、工夫しました。あと、一話には最終話までの伏線もいろいろあるので、何度も見返してほしい」

伏見「第二話以降も、見せ場では、原作に負けないクオリティになってほしいです」

竹下「そうですね。全話数を楽しんでもらえるように、いろいろな仕掛けをしていきます」

■タイトルで食わず嫌いしないで…

Clipboard05――原作からのファンと、アニメで初めて『エロマンガ先生』を楽しむ人たちにメッセージをお願いできますか?

伏見「ええ…原作を未読の視聴者の方には、まず、恥ずかしいタイトルなのに観てくれてありがとうございます、と(笑)一話を気に入ってもらえたなら、二話も継続してぜひ見てください。それから、原作も」

竹下「原作ファンの皆さんは『エロマンガ先生』がもともと好きだと思いますが、僕もそれに負けないくらい原作は大好きです(笑)だからこそ、原作ファンを飽きさせない、納得させるアニメを目指しています。あと、『俺妹』が好きだった人も、伏見先生原作の『エロマンガ先生』は絶対に見てください。タイトルで食わず嫌いしないで…(笑)」

伏見「監督は、すごく丁寧で誠実で、マメな人です。作ったものを一つ一つ、『これでいいですか?』と確認してくれる、こだわりのあるクリエイターです。これでアニメが面白くないわけがない!(笑)」

竹下「いえ、僕はただ『エロマンガ先生』が面白くなることを考えているだけです。伏見先生からの提案はどれも面白くて、作品が良くなるためなら何でもやりたいと、そう思っています。先生の方も、時間がない中で、ものすごい細かいホンを書かれるので…(笑)」

伏見「これをやったらアニメのスタッフは相当きついだろうな…とは思いながら、ばっちり提案させてもらってます。それを確実に反映させてくるので、すごいスタッフが揃ってるってことなんでしょう(笑)怖いくらいのクオリティです。僕も負けられませんね」

竹下「あはは…(笑)」

伏見「このクオリティを実現するために、どれだけの犠牲が毎回払われているのか、と思います。ちょっと申し訳ないくらいなんですけど――監督には本当に感謝していますね」

原作者は「『エロマンガ先生』がアニメになると思わなかった」と語っている。タイトルからしてヤバすぎるが、それに確かなクオリティを付随させるアニメの完成度はいよいよ高い。「イロモノ」なんて思わずに、ライトノベルの裏側が見える今作を楽しみに見たい。